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by chirimendonnya
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『赤ずきん』講談社英語文庫

ここ1週間、洋書のこととすっかり離れてしまいました。タイトルでおわかりの通り、今日の本も厳密には洋書ではありませんが、英語で書かれていることに変わりはありません。そして一番手軽に手に入る英語で書かれた本のシリーズでもあります。普通の本屋でも文庫コーナーでひっそり売っているのを、たまに見かけます。海外現代文学の傑作から漫画の英語版まで結構幅広いジャンルが展開されています。洋書と比べて紙の質が良く、挿絵がかわいいので持つ喜びも結構あると思いました。この本も絵本作家のいもとようこさんが挿絵を担当されていて、可愛らしいキャラクターや美しい色彩が味わえます。

レベルは4段階に分かれており、カバーの著者紹介欄と同じページでレベルがわかります。星一つが一番簡単で星四つが最高です。一番簡単なレベルでもPenguinやOxfordのLevel3よりは、使われている単語が難しいような気がしました。ただし、巻末に難しい単語や表現が当然といえば当然ですが、日本語で解説されてて親切。それも、ただ単に日本語というだけではありません。読んでる途中で見ることはありませんでしたが、洋書だったらここまではやらないだろうなというくらい細かく、かゆいところに手が届くような解説でした。

さて、シリーズについてはここまでにして本の内容を。

表題作にもなっている『赤ずきん』の他に『町のねずみと田舎のねずみ』、『アリババと40人の盗賊』の2編が収録されています。何だか選択基準がよくわからないですが、どれも有名な話なのでするする読んでしまえるという意味では良いセレクトといえましょう。長さは『町のねずみ~』>『アリババ~』>『赤ずきん』です。私は短い順で読みました。英文は一文あたりが短くて読みやすいです。

『町のねずみ~』はこの3つの中では唯一残酷な場面がなく、読んでてほのぼのしました。逆に『アリババ~』と『赤ずきん』は結構残酷。それにアリババって意外と善人じゃないし。『赤ずきん』。小さい頃は考えたことはありませんでしたが、実は赤ずきんちゃん、かなり間抜けな子供です。オオカミがおばあさんに化けたといっても帽子をかぶってるだけなんだから、普通わかりそうなもんです。それに展開には無理ありすぎです。いくらオオカミが大きくても人二人丸飲みは不可能に思えますが・・・。と、心が汚れた大人が読むとろくなことがありませんね。
by chirimendonnya | 2004-12-17 20:52 | 洋書