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by chirimendonnya
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『DIVE!!』<2>スワンダイブ 森 絵都   講談社

昨日の1巻に続いて第2巻です。今回の主人公は1巻の知季に代わり、飛沫(しぶき)という少年です。

あらすじ:
伝説の天才ダイバー沖津白波の孫で、本人も知る人ぞ知る天才ダイバーの沖津飛沫。麻木コーチの熱心な誘いを受けて青森から上京してきた彼は、その魅力的な演技でたちまち周囲の注目を集める。根っからの天才の彼だが、オリンピックを目指すには二つの大きな問題があった。一つは飛び込むときに豪快な水しぶきを上げてしまうこと。入水時にいかに水しぶきをたてないかも採点基準である現代の飛び込みでは不利なのだ。もう一つは自己流の飛び込みを続けてきた弊害が体に出始めていたことだ。さて、彼はどうするのか。

一人の視点から書かれている1巻から3巻の中では一番ドラマチックな巻です。天才と呼ばれた男が深い挫折を味わい、成長する物語です。とりわけ祖父の競技人生を”不運”の一言で片づけていた彼が、恋人の一言からその過去を調査し、真実をつかむ過程に心惹かれました。人間誰でもわかりやすい結果を求めてしまいがち。でも、わかりやすい結果が得られなかったら、その人は何も得るものはなかったのかというと、それは違います。祖父もその短い期間で大きなものを得、自分の中では納得していたのです。それは、その後漁師として普通の暮らしをしていたことからもわかります。自分の中で大きな挫折感があったら、一見平凡であったとしても穏やかな生活は難しかったと思います。

主人公格の3人の中ではこの巻の主人公・飛沫が一番好きです。無愛想でふてぶてしいけど、そこがいいんです。何より原始の力強さを感じさせる彼の飛び込みは魅力的。本当に天才だという気がします。

1巻に続いて2巻も大変楽しく読めました。スポーツは小説に不向きだと思っていたけれど、この本は小説ならではの面白さがあると思います。次の巻も楽しみです。
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by chirimendonnya | 2005-02-10 09:25 | ヤングアダルト