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by chirimendonnya
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『モモ』ミヒャエル・エンデ   岩波書店

本当は母が借りてきたのですが、一向に読む気配がないので、先に読みました。映画は前に見たことがあるけれど、本を読むのはこれが初めてです。

あらすじ:
とある田舎町の円形競技場に不思議な少女が住みついた。彼女の名前はモモ。話を聞いてあげるだけで相手をを幸せな気持ちにする彼女の周りには、老若男女問わずたくさんの人が集まった。しかし、人の心の隙をついてだまし、時間を奪い取る”灰色の男達”が現れて、生活は一変。人々は余裕を失い、モモは徐々に孤独になる。

ちょっと今更って感じはするのですが、30年以上各国で読み続けられているだけあって素晴らしい作品です。あまりの面白さに何日間かかけて読むつもりが一日で読み終わってしまいました。

時間や創作についての部分はものすごく説教くさく感じるときもあります。でも、一つ一つが納得できることで、反省させられたり考えたりすることが時々ありました。極端にパロディ化することなく、「ある、ある」と、つい頷きたくなるリアリティある描写だからこそだと思います。次々と客をさばくことに一生懸命で対話のない店、店員をせかす客、生活に追われて余分なことは考えずあくせく働く人々。誰もが体験していることです。一つヒットが出ると次々と同じような作品ばかり。しかも少したつと忘れられてしまう。疑問を感じたことのない人の方が、少ないのではないでしょうか。『時間』を奪われた人も世の中も汲々として、全然魅力がありません。便利なことって素晴らしいけど、それだけではいけないな、と改めて思いました。

ふしそれだけにマイスター・ホラのいる世界の美しさが際だちます。どれもきれいだけど、一つとして同じ花がないというのは、誰もがもともと素晴らしい花を心に咲かせているということですよね。それを育てるのも枯らすのも自分次第。よい心がけをしたいものです。

最後に映画に少し触れたいと思います。見たのがかなり昔で、細かいことは忘れましたが、読んでいるときモモはずっとあの映画の女の子が浮かんできました。普段は本は本、映画は映画で違うイメージで読むので、こういうことは自分には珍しいです。他のシーンも映画の場面を思い出すことが、よくありました。よくできていたんだと思います。
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by chirimendonnya | 2005-02-19 13:54 | ファンタジー