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by chirimendonnya
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『シェイクスピアを盗め!』ゲアリー・ブラックウッド   白水社

あらすじ:
孤児の少年ウィッジは7歳で医者件牧師のブライト先生の徒弟になる。そこで速記術をたたき込まれたが、それは近隣の教会の名説教を参考というか拝借するためだった。ばれて怒鳴られるといった夢のない日々にうんざりしていたウィッジだが、フォルコナーと名乗る不気味な男に金貨数枚で売り飛ばされてから人生は一変。新たに雇い主になったサイモン・バスに、人気劇作家シェイクスピアの舞台を見てそのせりふを全部書き取ってこいと命令される。失敗に終わったが、挽回するために舞台そばに隠れていたのを発見され、成り行きで劇団の徒弟となる羽目に。

最初は成り行きで嫌々芝居をやっていたウィッジが徐々に芝居の楽しさをわかっていくとともに読者もその楽しさの虜になっていきます。芝居って素晴らしい!読んでいる途中でそう思いました。そして、このような楽しい作品ばかり書かれるこの時代は本当に幸せだと思いました。

シェイクスピアの台本をめぐるすったもんだがストーリーの柱ではありますが、同時にこの作品は主人公ウィッジ少年が自分探しをする話でもあります。孤児院で育ち、その後ろくでもない主人に仕えていたウィッジは、どうしたらぶたれないか考えることで精一杯。夢を持ったりしたこともなければ、誰かに信頼されたこともない。何かに責任を持つのもいやそうです。それが、優しくされたり、仕事を任されたりしたことで少しずつ変わっていきます。そのあたりのとまどいが実に良く書かれていて、ストレートな話にアクセントを与えていました。
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by chirimendonnya | 2005-03-13 16:17 | ヤングアダルト