コメント、トラックバックについては承認制を取らせていただきます。


by chirimendonnya
カレンダー
S M T W T F S
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30

『シェイクスピアを代筆せよ!』ゲアリー・ブラックウッド   白水社

下の『シェイクスピアを盗め!』の続編です。前作では出番がほとんどなかったシェイクスピアも今回はかなり話に関わってきます。

あらすじ:
ペストの影がロンドンにも迫ってきた。多くの人が集まる芝居は空気感染を避けるために禁止される。少しでも稼ぐために一座は、ロンドンを出て各地で巡回公演をすることになった。だが、人数が足りないため二人の役者を補充した。一人はシェイクスピアの弟ネッド。もう一人は演技力抜群だが、性格の悪いサル。何とか準備を整えて出発した一行だが、ペストへの警戒感や役者への偏見などの問題で、なかなか思うように公演ができない。そんな中、ウィッジは手を骨折したシェイクスピアに頼まれ、台本の代筆をすることになった。さらに医者の徒弟をしていた経歴から、他の劇団員に健康相談をされたりして忙しい。おまけに演技力抜群の新入りに自分の役を次々とられ、面白くない。そんなある日、自分の父親だと名乗る男に出会うが、これが新たな頭痛の種になる。


終始明るくエネルギッシュだった前作と比べると、ペストが流行の兆しを見せ始めている今作はやや暗め。特に中盤以降はウィッジにちょっとつらい展開で、気の毒になってしまいました。

シェイクスピアが登場する作品で面白いのは、結構どの作品も違った性格付けをしていることです。ある時は快活、ある時はロマンチックで印象が一定しないミステリアスな人、シェイクスピア。この作品では、やや陰気ながらも随所に大人物らしい懐の大きさを感じさせます。ぐうたらな弟に悩まされたことは、あの髪型にも大いに影響を与えたに違いません。

すっかり劇団になじんだけれど、育ちからかイマイチ自分に自信を持ちきれないウィッジ。客観的に見ると、字が書けたり医学の知識があったりとなかなかお役立ちな存在です。この巻の終わりでは、つらい経験を乗り越えて一皮むけたように感じました。何だか弟を見守っているような気になります。
[PR]
by chirimendonnya | 2005-03-13 22:18 | ヤングアダルト