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by chirimendonnya
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『黄金の羅針盤』上下 フィリップ・プルマン 新潮文庫

「ライラの冒険」(原題 His Dark Materials)三部作の第1作目です。

あらすじ:
オックスフォード大学のジョーダン学寮に住むライラは11歳の元気な女の子。街の子供達やジプシャンの子供達と”戦争”をしてみたり、大人達にいたずらを仕掛けたりと忙しい日々を過ごしている。しかし、叔父のアスリエル卿がオックスフォード大学に帰還するのと前後して、街には異変が起こり始めていた。子供達が次々とさらわれるのだ。
ジョーダン学寮を離れて、コールター夫人という謎めいた美女と暮らすようになったライラは、思わぬきっかけから犯人の正体を知ることとなり、子供達を助ける旅に加わる。

舞台は私たちの住む世界と似ているようで少し違う世界。人間達は”ダイモン”という守護動物と一生を共にします。主人公ライラと彼女の相棒パンタライモンの楽しいやりとりが、ダークトーンの物語にアクセントを与えています。

実は以前に一度読んだのですが、三冊一気に読んでみたいと文庫化を気にそろえました。読むのが2回目ともなると、良くも悪くも前には気づかなかったことに気づくようになります。私にとっては、悪い要素が色々気になってしまい、あまり話に没頭できませんでした。

その一つが登場人物のほとんどの「ライラ、最高」状態。もともと彼女をあまり好きではないので、そのせいもあると思います。とにかく、知恵と勇気もあるけれど小ずるく図々しい子をみんなしてよく言いすぎ。ライラ賞賛の言葉が出る度、気持ちがさめるのを感じました。特に上巻はその傾向が強いです。

下巻になると、世界観とストーリーテリングの面白さがより前面に出てくるので、面白くなります。そして、ライラにとっては気の毒な幕切れ。あんまり書くとネタばれになるのでやめますが、少なくとも私にとっては世界観とストーリー、そしてダストの謎がこの作品の魅力です。

この作品の一番のキーとなる「ダスト」の謎は、結局解明されず。というより、作中で説明されればされるほどわからなくなります。最初読んだときは、ただただ話の面白さに見せられていましたが、今回はダストの奥深さもじっくり味わいたいと思います。
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by chirimendonnya | 2005-03-29 21:04 | ファンタジー