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by chirimendonnya
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『青空のむこう』アレックス・シアラー  求龍堂

あらすじ:
10歳の少年ハリーは自転車に乗っているときに10トントラックにはねられてあの世へ。しかし、家を出るとき直前に姉に言った一言がひっかかり、成仏できない。そこで、何とか思いを伝えるために150年間母親を捜し続けている少年幽霊アーサーを案内役にこの世に戻ってみるが・・・。


洋版が出している洋書カタログで表紙とあらすじを見てから、ずっと気になっていた本でした。青空をモチーフにした表紙がとても素敵なのと、死んだ少年がこの世に舞い戻るという設定が好みだったのです。

読んでみると、10歳の子供の一人称で書かれているのでところどころ子供っぽく感じる箇所はあるもののとても面白かったです。最初から最後まで大体予想できる話だと言われたらそうかもしれないけど、そのようなことを言うのは野暮だと思いました。思いを伝えるのに都合の良さそうな能力で誰でも思いつくようなものは主人公に与えられていないので、読んでいると目的が達成できるものか結構どきどきします。私は話を最初から最後まで楽しむことができました。あえて何を言えば、ラストの一部は読者に任せて欲しかったけど、ハッピーエンドなので良しとしましょう。

あえて目新しい部分をあげるとしたら、あの世の入口は万年夕焼けなのと主人公がとにかく明るくポジティブなところでしょうか。あの世は何となく薄暗い場所のような感じがするので、それなりに色を感じる場所にしているのは珍しいと思います。

生きる意味や死んだとき自分がいない世界の寂しさをあつかう作品の主人公は、もともと暗い性格だったり深刻な悩みを抱えていたりしていることが多いです。その方が意義を見出したときに見せる明るさが際だつからです。この作品のハリーはとことん明るく前向きでとても死人に思えません。だからこそ余計に物寂しく感じるところがあり、生きる意味を考えることができます。
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by chirimendonnya | 2005-05-05 13:27 | ヤングアダルト