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by chirimendonnya
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『アンデルセン 夢をさがしあてた詩人』ルーマ・ゴッデン  偕成社

先週の『世界ふしぎ発見』ですっかり興味を持ったアンデルセンの伝記本です。図書館の児童書コーナーにあったものを大して確認もせずに借りてきたので、あとでぱらぱらめくってみて「字が大きい+ふりがなつき」に予想以上に対象年齢が低かったかなーとちょっと不安になりました。でも、早く読み終われていいかと早速読むことにしました。

作者のルーマ・ゴッデンは映画化された作品もいくつもあるという英国人作家。そのせいか、普通の子供向け伝記とは大分違います。子供向け伝記というと都合の悪い部分は省いて、いかにその人物が偉大だったか、そして周囲は素晴らしい人ばかりだったかを印象づけることに終始しているものが大半です。ところが、この本はアンデルセン本人に対しても周囲の人に対しても容赦ありません。そのために人となりがより深く理解でき、そういう意味ではよい本です。また、アンデルセン本人作の切り絵、彼の友人、各地の地図などが多く収録され、見ても楽しい本でした。

アンデルセンの育った家庭は貧しかったものの、両親の愛情を受け、周囲からは浮いていたものの空想好きの良くも悪くも感受性豊かな少年として成長。14歳になった彼は母の反対を押し切って役者になる夢を抱き、首都コペンハーゲンにやってきます。もちろん、田舎育ちでろくな教育も受けていないひょろひょろした少年がそんなすぐに役者になれるほど世の中甘くありません。縁あって教育を受ける支援をしてくれる人が現れても、彼自身の詰めの甘い性格と無味乾燥な内容にちっとも勉強に身が入りません。不思議とスポンサー探しと金を借りるテクニックみたいなのがあってピンチになってもなぜか助けがさしのべられるので、貧しいことは貧しいけど意外に恵まれているのに、四の五の言い訳をしてさっぱり勉強しない青年アンデルセンには本当にイライラさせられました。これでキュリー夫人のように向学心に燃える若者だったら、もっと早くに成功を収めることが可能だったに違いありません。ロマンチストすぎるせいか、詰めが甘いところが多々あり、こういうタイプの人が生前からかなりの富と名声を勝ち得たことは多少不思議な感じもします。

読み終わってみると、やっぱり変わった人だとも思いました。でも、数々の辛い経験を乗り越えているだけに年を経るごとに深みを増していることが手に取るようにわかり、亡くなったときには国葬が行われたというのも納得できます。
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by chirimendonnya | 2005-06-26 19:12 | 読書色々