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by chirimendonnya
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『夜の語り部』ラフィク・シャミ   西村書店

あらすじ:
語りの達人だったサリムじいさんが、ある日突然口がきけなくなった。そこで彼の友人達は「彼を救うには自分たちが面白い話を聞かせてやればいいのだ」と考え、毎夜一人ずつ何かの物語を語ることになった。


舞台はシリアのダマスカス。時代設定は意外と最近らしく、作中で何度も言及されます。しかし、読んでいると全然そんな気はしません。ずっと昔の話を読んでいるような不思議な感覚です。雰囲気がおとぎ話っぽいのとダマスカスという場所がなせる技なんでしょうか。ダマスカス、行ったことはないけど何だか素敵な場所の予感。

じいさんの友人達の話はどれも幻想的だったり、時にロマンチックだったり、どれも面白いと思います。短い話の連続なのに、どんどん先が読みたくなってしまう感じで、すっかり虜になってしまいました。それにしても、日頃意識しないことが実はどんなに大事で幸せなことか。特に言葉の大切さについては、ちょっと考えさせられました。
by chirimendonnya | 2005-08-27 18:40 | 小説