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by chirimendonnya
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カテゴリ:ヤングアダルト( 19 )

あらすじ:
孤児の少年ウィッジは7歳で医者件牧師のブライト先生の徒弟になる。そこで速記術をたたき込まれたが、それは近隣の教会の名説教を参考というか拝借するためだった。ばれて怒鳴られるといった夢のない日々にうんざりしていたウィッジだが、フォルコナーと名乗る不気味な男に金貨数枚で売り飛ばされてから人生は一変。新たに雇い主になったサイモン・バスに、人気劇作家シェイクスピアの舞台を見てそのせりふを全部書き取ってこいと命令される。失敗に終わったが、挽回するために舞台そばに隠れていたのを発見され、成り行きで劇団の徒弟となる羽目に。

最初は成り行きで嫌々芝居をやっていたウィッジが徐々に芝居の楽しさをわかっていくとともに読者もその楽しさの虜になっていきます。芝居って素晴らしい!読んでいる途中でそう思いました。そして、このような楽しい作品ばかり書かれるこの時代は本当に幸せだと思いました。

シェイクスピアの台本をめぐるすったもんだがストーリーの柱ではありますが、同時にこの作品は主人公ウィッジ少年が自分探しをする話でもあります。孤児院で育ち、その後ろくでもない主人に仕えていたウィッジは、どうしたらぶたれないか考えることで精一杯。夢を持ったりしたこともなければ、誰かに信頼されたこともない。何かに責任を持つのもいやそうです。それが、優しくされたり、仕事を任されたりしたことで少しずつ変わっていきます。そのあたりのとまどいが実に良く書かれていて、ストレートな話にアクセントを与えていました。
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by chirimendonnya | 2005-03-13 16:17 | ヤングアダルト
原題『Charlie and the Chocolate Factory』。洋書で読んでもいいけど、ちょっとだるかったので、翻訳版で。ロアルド・ダールのもっとも有名な作品で、近々2回目の映画化(監督:ティム・バートン、ジョニー・デップ他出演)も決定しています。

あらすじ:
世界一おいしいワンカ氏のチョコレート工場。でも、ここ10年誰も工場に出入りする人を見たことがない。そんなある日、世界でたった5人だけ工場に招待されることになった。チョコレートのパッケージを開けてみて金色のチケットが入っていたら、当選だ。かくしてチケットを手に入れるための買いだめ競争が始まったのだった。結果、4人までが大金持ちの子供で決定した。残りの1枚は・・・とっても貧しい家の子供チャーリーの手に。さて、5人の子供と付き添いの大人達はどんなものを見るのか。

正直、チャーリー以外の子供達への仕打ちはブラック過ぎてついて行けない部分もあったのですが、最後みんな無事だったのがわかったので救われました。あそこまでひどい目に遭えば本人家族ともに、ちょっと反省したでしょう。教訓を生かしてまともに成長することを祈ります。

時々、ストレートすぎるくらいストレートなメッセージが盛り込まれています。でも、読み終わってみるとそんなに気になりません。あまりに奇想天外でカラフルで楽しいせいでしょうか。チョコレート工場の中については、色々と想像を巡らせていたのですが、想像を超えていました。次々と繰り出されるおいしそうなお菓子と風景にノックアウトです。文章でもこんなに素敵なんだから、映像化されたらどんなに素敵なんでしょうか。わくわくします。

全ての要素が極端(だから、駄目な人は駄目な作品だと思います)なのに、その全てが絶妙なバランスのとれた作品です。それでいて、押さえるところは押さえていて読後感は爽やかでした。これって、ダールの術中にはまってしまったということですよね。本当にすごい作品です。
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by chirimendonnya | 2005-02-26 20:18 | ヤングアダルト
昨年、最年少で芥川賞を受賞して話題になった著者の処女作です。気になっていたので、図書館で借りてみました。

あらすじ:
何となく学校に行かなくなった女子高生・朝子は、妙にできた小学生の男の子と知り合う。そんな二人がおんぼろパソコンで始めたのは、なんと風俗チャット。

読み始めてすぐにないように引き込まれ、手がとまらなくなるというよりは、いつか面白くなるんだよね、と、じれったくなりながら読みました。そもそも本題の風俗チャットを始めるまでに半分くらいかかります。で、始めてからもすごく面白いという感じではありませんでした。画面を通してチャット相手の分析をするところは面白かったけれど、その他は「ふーん」という感じ。最後も大体予想通りで、特に意外性もない感じです。もう少し、結末がしっかりしていれば、違った感想を持ったと思います。読者の推測にまかせるにしても、もう少し何か欲しかったです。主人公のけだるさとか結末の時の気持ちはよくわかるし、いい部分もあるけど、ちょっともの足りませんでした。期待が大きすぎたかもしれません。
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by chirimendonnya | 2005-02-18 18:31 | ヤングアダルト
さて、いよいよ『DIVE!!』も最終巻です。

あらすじ:
待ちに待ったオリンピック代表選考会。それぞれの持ち味を活かし、順調にこなしていく知季と飛沫。一方、大本命と見られていた要一は調子が出ない。いったいどの選手がオリンピック代表に決定するのだろうか?

巻ごとに主人公が変わるという趣向だったこの作品、最終巻はこれまで出てきた色々な登場人物の視点で展開されます。それこそ、「え、彼のことも?」と思うような脇役までも、心情が語られています。それによって「結果」は色々だったけど、全く報われないということはないんだな、と改めて思いました。読み終わって、すごく爽やかな気持ちです。結末も考え得る限りで一番幸福な形で、私は満足です。

最後きれいに終わっているけれど、ちょっとその後の展開が期待できる形だったので、もう少しあってもいいかな、と思いました。でも、あまり続けすぎるとダメになることは色々な作品で証明済みなので、こう思うくらいで丁度いいのかもしれません。
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by chirimendonnya | 2005-02-17 18:09 | ヤングアダルト
”飛び込み”が題材の青春スポーツドラマ、第3巻です。

あらすじ:
早々にオリンピック代表に選ばれた要一。周囲からの羨望の目、CM出演の依頼・・・、彼の毎日はにわかに慌ただしくなった。それなのに、気分がちっとも盛り上がらない。あんなに夢見たオリンピックなのに、選考方法に疑問を感じるのだ。ついに要一は、誰も予期していなかった行動に出る。

今回の主人公は要一。メインになる3人のうち、心技体ともにもっとも完成されている選手です。今回は、一流選手になるために多くのものを切り捨ててきた彼の内面と意志の強さを知ることができ、その孤独に胸が痛くなりました。それだけに主人公には向かないと思っていたので、ちょっと意外。読み終わってから、これまでの2冊には感じなかった無理矢理感を感じました。やっぱり、ドラマが作りにくかったのか、展開に釈然としないものを感じました。相変わらず、次が気になる展開には変わりないけど、少し落ちる感じです。

キーパーソンとなる人物に現実感がないというか、あのような社会的地位を持つ人があんなに物わかりいい人なら、世の中楽です。いくら相手がしっかりしていても、話を穏やかに聞く、というのはちょっと違和感を持ちました。それまで、さんざん怪物めいた描写をしているのに、あれでは単なる物わかりのいいおじさんです。なんだかしらけてしまいました。要一の青さや熱さは説得力があったので、対決する相手にもそれ相応のリアリティがあればよかったと思います。
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by chirimendonnya | 2005-02-16 08:50 | ヤングアダルト
昨日の1巻に続いて第2巻です。今回の主人公は1巻の知季に代わり、飛沫(しぶき)という少年です。

あらすじ:
伝説の天才ダイバー沖津白波の孫で、本人も知る人ぞ知る天才ダイバーの沖津飛沫。麻木コーチの熱心な誘いを受けて青森から上京してきた彼は、その魅力的な演技でたちまち周囲の注目を集める。根っからの天才の彼だが、オリンピックを目指すには二つの大きな問題があった。一つは飛び込むときに豪快な水しぶきを上げてしまうこと。入水時にいかに水しぶきをたてないかも採点基準である現代の飛び込みでは不利なのだ。もう一つは自己流の飛び込みを続けてきた弊害が体に出始めていたことだ。さて、彼はどうするのか。

一人の視点から書かれている1巻から3巻の中では一番ドラマチックな巻です。天才と呼ばれた男が深い挫折を味わい、成長する物語です。とりわけ祖父の競技人生を”不運”の一言で片づけていた彼が、恋人の一言からその過去を調査し、真実をつかむ過程に心惹かれました。人間誰でもわかりやすい結果を求めてしまいがち。でも、わかりやすい結果が得られなかったら、その人は何も得るものはなかったのかというと、それは違います。祖父もその短い期間で大きなものを得、自分の中では納得していたのです。それは、その後漁師として普通の暮らしをしていたことからもわかります。自分の中で大きな挫折感があったら、一見平凡であったとしても穏やかな生活は難しかったと思います。

主人公格の3人の中ではこの巻の主人公・飛沫が一番好きです。無愛想でふてぶてしいけど、そこがいいんです。何より原始の力強さを感じさせる彼の飛び込みは魅力的。本当に天才だという気がします。

1巻に続いて2巻も大変楽しく読めました。スポーツは小説に不向きだと思っていたけれど、この本は小説ならではの面白さがあると思います。次の巻も楽しみです。
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by chirimendonnya | 2005-02-10 09:25 | ヤングアダルト
人気の児童作家・森絵都のスポーツものです。全4巻の1冊目。

あらすじ:
中1の知季は、飛び込みに取り組む平凡な少年。彼女もいて平凡ながらも充実した日々を送っている。それが謎の女性コーチ麻木 夏陽子がやってきて一変。特に取り柄のない選手の知季に目をつけ、特別トレーニングを開始させる。厳しい練習や変わり始めた周囲に戸惑う彼は、いったいどんな選手に成長するのだろうか。

マイナー競技飛び込みを題材にした青春小説。恋愛や人間関係も時には絡みますが、中心に据えられているのは、あくまで飛び込み。あまりなじみがない競技なので、その解説にかなりの部分が裂かれています。だからといってうっとうしさはなく、飛び込みの魅力や大変さがわかります。

この作品はスポ根には違いないけど、変に熱いわけではなく、静かに燃えている感じです。話の中で登場人物が難病に苦しんだり、死んだりということもありません。変にわざとらしい展開は、ない方だと思います。その代わり、競技をすることの喜びや苦しみは、じっくり取り上げられています。主人公の知季は、競技者として成長するために何度も何かを捨てることを迫られます。そういうところがシビアで現実的です。

ただ、恋愛で悩むのはちょっと唐突に感じました。プライドを傷つけるタイプの幕切れではあったけど、それまであまりにも相手に無関心だったのでいやらしく感じました。普段が善良で人畜無害なタイプだけに鈍感さと身勝手さがよけいに目につきます。完璧な人である必要はないけど、自分は悪くないみたいな思考回路をいやらしく感じました。

話はとても面白く、読んだらすぐ次が読みたくなりました。勢いがあります。登場人物も個性的でこの先どのように展開していくか楽しみです。
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by chirimendonnya | 2005-02-09 08:17 | ヤングアダルト
最近、新潮社より文庫版が出ましたが、私が読んだのはピンクと黄色のポップな表紙がかわいい単行本です。それではあらすじ紹介を。

あらすじ:
中二の女の子・田中エリ子は、帰りの遅い弟のダイゴを迎えに行く。弟と一緒に帰宅しようとしたエリ子だが、どういうわけか今までいたのとは微妙に違う世界に迷い込んでしまう。なぜか電話は家に通じるのだが・・・。

新潮文庫の新刊紹介でこの本を知り、面白そうなので図書館で借りてきました。主人公のエリ子の語りで話が進みます。その語りが本当にイマドキの子という感じで、最初ちょっと読みづらく感じました。~なんですけど、とか、っていうか~じゃん、というような語りが多く登場します。でも、話が本格的に動き出す2章以降はそんなに気にならなくなりました。あと、意図したかどうかはわからないけど、主人公のキャラクターに元気でたくましい子+αの効果を出していて、だから、この世界でやって行けてるんだなーという説得力を感じました。

説得力を感じたといえば、エリ子の弟ダイゴに対する気持ちです。彼女、弟に対して結構辛口です。「(巨人の高橋由伸のグッズばっかり持っていて)キモい」、「弟じゃなかったら口きかない」など読んでてキツーイと思いつつも、わかる、わかると思って読んでいました。言うことはきついけど愛情は持ってると言うことがすごく伝わってきます。現実の兄弟関係ってこんなもんじゃないかな、と思います。すごく共感して読んでしまいました。

ストーリーは派手な展開があるわけでもすごい大冒険が待っているわけでも、主人公姉弟に特殊能力があるわけでもなく、淡々と進んでいきます。微妙な違いはあるとはいえ、そこにあるのは普通の日常なんだけど、すごく不思議な味わいがあります。いかにも面白いというわけでもないのに、次が気になってしまう話でした。どこかドラマチックな展開が待っていると思うと、軽く肩すかしを食らう作品です。特にラスト。あの最後を予想しながら読んでいた人がいたなら、私はすごいと思います。そのくらい意外な幕切れでした。
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by chirimendonnya | 2005-02-05 18:17 | ヤングアダルト
洋販が出しているおすすめ洋書の冊子で紹介されていて、興味を持った本です。で、英語でトライする前にまず、翻訳版で下調べしようと思い、図書館で借りてきました。

あらすじ:
ワシントンに住む16歳の女の子4人の一夏の物語。大きなお尻を気にするちょっと心配性のカルメン、美人だけど不器用なレーナ、やせっぽちではすっぱなティビー、スポーツが得意で積極的なブリジットの4人は赤ちゃん時代からの友達。カルメンが古着屋で適当に買ったジーンズが、誰がはいてもフィットする不思議なものだとわかる。「これはもしかしてラッキー・アイテムでは?」と思った4人は、離ればなれになる夏休みの間、一人が1週間手元に置き、期限が切れたら次の人に回すことに決めた。さて、4人の夏休みはどうなるかな?

良くも悪くも少女漫画みたいな話です。ティーンの女の子特有の恋や悩みが生き生きと描かれています。でも、途中までの展開がだるかったので、最初読むのをやめようかと思いました。ブリジット以外の3人にあまり共感できないというか、やっぱりアメリカと日本では結構違うなと思ったのも理由の一つです。それと彼女たちよりちょっと年上というのもあるかもしれません。青臭いな、というのが途中までの感想です。

それでも、読みやすい本なので我慢して読んでいると段々面白くなってきました。このままで終わるの?と、どきどきしてきました。最後の方はほろ苦かったり、せつなかったり、なかなか見所満載です。4人が4人、自分の思い通りに行ったわけではないけど、一人一人が自分で何かを見つける様子にじーんとしました。自分の心と折り合いをつける子、殻を一つ破った子、偶然の出会いから大きなものを得た子、乗り越えられなかった壁にがっくり来た子。一人一人が自分なりに何かを得、一つ成長します。そして、最後は友達っていいなあと。最後まで読んでみて良かったです。

内容とはちょっと離れるけど、欧米では両親が離婚した子供が、親の再婚相手の家族と折り合いをつける、というテーマが結構ポピュラーです。この本でもそういう問題を抱える子が出てきます。日本ではまだあまり見かけないけど、たとえ分かれても自分の愛する父親・母親が他の人と、いうのは確かに複雑な気分でしょう。前に「向こうの人は個人主義だから、離婚した親が再婚したいといったら、子供もすぐ祝福する」と聞いたけど、やはり心に折り合いをつけるというのは、国や考え方を問わず、難しいと思いました。
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by chirimendonnya | 2005-01-12 09:46 | ヤングアダルト