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by chirimendonnya
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カテゴリ:ファンタジー( 35 )

あらすじ:
王を選ぶ能力を備えた神獣・麒麟。蓬莱で人間として育った麒麟・泰麒は本来あるべき場所に戻り、世話を担当する女仙に囲まれ幸福な日々を過ごし始める。しかし、麒麟なら当然できるべきことがいつまでたってもできず、幼い彼なりに悩む。しかも、彼が戻ったことはすでに知れ渡り、王に選ばれたいものが早速集まり始めていた。


『十二国記』シリーズの第2作目です。
舞台は前回の慶国から戴国へ。登場人物も雰囲気も大分異なります。
今回は10歳くらいの少年が主人公。小さい頃から周囲になじめず、愛されずに育ったせいか、自分をかまってオーラが強く感じられ、そこがちょっと苦手です。他の登場人物にもこれといって魅力がなく、何だか退屈。中盤、我こそは王にという人物が次々と押し寄せてきてからどんどん面白くなりますが、そこまで長く感じました。

心優しい女将軍、威厳に満ちあふれた将軍とふれあうことで徐々にのびのびとして前向きなところが出てきて、短い期間ながら主人公の成長を感じることができました。最後、王として選ぶ人物も私は非常に納得。王らしい王を迎えた戴国。前作の途中でその後の出来事が少し触れられていましたが、この本を読むととても予想ができないような雰囲気でこれからどうなるのか気になるところです。
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by chirimendonnya | 2006-02-19 20:14 | ファンタジー
あらすじ:
髪が生まれつき赤いという他はおとなしい優等生の陽子。平凡な日常を送っていた彼女の前に自分を”主”と呼ぶ金髪の派手な男ケイキが現れ、学校から連れ去った。次に目覚めたらそこは今まで生きてきた場所とは全く違う異世界だった。


『十二国記』シリーズの第1作です。十二の国からなる異世界で繰り広げられる中国風ファンタジー。今作では主人公陽子と一緒に読者もこの世界の人々の考え方や国のあり方を理解していくことになります。

といっても上巻はなかなか話が進みません。学校から連れ去られて異世界に着くところまでは勢いよく話が進みますが、その後は生き延びるだけで精一杯の辛い日々。出会う人にも恵まれないし、時々見えるもといた世界が辛すぎます。物静かでそんなに悪くいわれるようなタイプでもなかったのに、周囲の人は家族も含めてひどい言いようです。本来はそこにいるべき人間ではなかったということを強調する演出だとは思いますが、読んでいて辛くなりました。

読むのをやめようかとも思いましたが、最初に出てきてそれっきりの謎の男ケイキのこともこの世界のことも謎だらけで気になったので一応読み続けることにしました。

下巻に入って楽俊というひょうひょうとしたねずみの少年が出てきてから、やっと話が進み始めます。見た目はぬいぐるみのようでも博識で頼れる性格の彼は主人公陽子だけでなく読んでいる側にも頼もしいガイドです。「子供は木になる」「王は麒麟という動物が選ぶ」といった部分から見るに、非常にユニークな場所のようです。今回は十二国の中の一つ慶国が最終的な舞台。この後は他の国の物語が語られるようで、続きも楽しみです。
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by chirimendonnya | 2006-01-29 20:22 | ファンタジー
あらすじ:
 母親が再婚相手し、「兄」ができたジョージア。でも、両親がいない時を見計らって底意地の悪い行動を繰り返す彼とは折り合いが悪く、両親もまともに取り合ってくれない。憂鬱な日々を送る彼女だったが、骨董品店で翼がある馬の像を買ったことから新たな扉が開いた。
 なんとその像は異世界にとんでいける触媒だったのだ。
 イタリアにそっくりなその異世界では、年に一度の”星競馬”に向けて盛り上がっていた。馬が大好きなジョージアは興味津々。しかし、その星競馬、単なる楽しい行事ではなく、裏ではいろいろあるようだ。

仮面がデザインされた不気味な表紙だった第1弾『ストラヴァガンザ 仮面の都』とはうってかわって馬のシルエットを中心に十二星座がデザインされた美しい表紙。手にした瞬間、おっと思いました。700ページもあって分厚いので、重さもずっしりときましたが・・・。

『ハリー・ポッター』シリーズの大ヒットでいろんな会社からハード-カバーの分厚いファンタジーが多数刊行されるようになり、私も色々読みましたが、このシリーズはその中でも出色の作品だと思います。

タイトルにもなっているストラヴァガンザは時空を旅できる人のこと。でも、
(1)触媒がないと異世界(ただし、ルートは現代イギリスと16世紀タリアに限定)
(2)どちらかの世界で死んでしまうと片方の世界でしか生きられない
(3)現実世界で眠りについたときのみ異世界にいられる
といった制約があり、これが良い意味でストーリ-に緊張感を与えていて、読んでいて飽きさせません。ゴールに至るまでは様々な障害があり、安易に先が予想できないのです。さらに、異世界の設定も良くできていて細かいところも楽しめます。

個人的にいいと思うのが、説教臭さがあまりないことと本当の悪人はいないこと。特に後者は前作よりも強く感じました。小悪党、影の黒幕になっている人たちの心情もしっかり描かれていて、こういう役回りではあるけれど、優しいところがあるというのが読んでいてうれしく思いました。

前作の最後が非常に気になる終わり方だったので、どんな風に始まるんだろう?と気になっていたら、意表をつく始まり方でびっくりしました。まさか、主人公交代とは・・・。前作のルシアンとアリアンナがとても魅力的だったので残念に思いましたが、今作での彼らでは大人になりすぎていてもう主人公的な役回りには無理かな、とも思いました。特にアリアンナは単なる母親のクローンになってしまったみたいで悲しいです。地位相応かもしれないけど、いいところが消えてしまったように思いました。

今回の主人公はルシアンが現代に生きていた頃の知り合い、ジョージア。憂鬱な日々を送っていたことと、15歳にしては幼い自分の体つきにコンプレックスをもっていることで自信なさげな子ですが、本当にどこにでもいそうな女の子。それがタリアでの体験だけでなく、現実世界でも友人を得たことで段々成長していくところが一つの見所でもあります。彼女の日々の描写が非常にリアルなんですが、両親の離婚再婚をめぐる子供のトラブルはイギリスでは良くある問題なんでしょうか。

この作品は3部作で英語版はすでに完結している模様。つたない英語力でもつい原書で読んでみたくなる面白いシリーズです。
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by chirimendonnya | 2005-10-30 20:53 | ファンタジー
あらすじ:
2年前のクーデターの結果、ナサニエルは今やエリート若手官僚として順風満帆の日々を送っている。しかし、謎の犯罪集団「レジスタンス団」に関する捜査で窮地に追い込まれた。二度と召還するつもりがなかったバーティミアスを再び召還。共に捜査に乗りだすが・・・。

背景をかなり良く作り込んでいて、ストーリーと共に実際の昔のイギリスに思いをはせて楽しみました。「偉大な首相」としてグラッドストーンの名が出てくるので、実在の彼が活躍した時代あたりをモデルとしているんでしょうね。なんとなく優雅な感じがします。

前作で気になっていた謎の少女の正体もこの作品で明かされます。小生意気でひねくれた印象の彼女でしたが、正体が明かされる今作で非常にストレートで気持ちのいい娘さんだと判明しました。今のところ、人間のキャラクターの中では彼女が一番すきです。正しいと思ったことを頑固にまで押し通し、友達思いの彼女はなかなかかっこいいと思います。この後もストーリーに深く関わってきそうです。

ページ数の割には字が大きいこともあって読むのにはあまり苦ではありませんが、結構面白いところとそうでないところがはっきり分かれていると思いました。バーティミアスの一人称の部分、ナサニエルとバーティミアスのやりとりが多い部分は面白いんだけど、ちょっと中盤はだれていたかも。最終盤はどこに転がるかわからない面白さがあり、一気に読めました。最後も爽やかな感じで読後感が良かったです。三部作ということなので、続きが出たらまた読みたいと思います。
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by chirimendonnya | 2005-07-31 09:51 | ファンタジー
宮崎駿監督の「ハウルと動く城」の原作です。映画は未見ですが、映画があまりにも有名なのであらすじはかくまでもないかもしれないけどとりあえず・・・。

あらすじ:
帽子屋の長女ソフィー・ハッターはしっかり者で手先が器用。家業の帽子屋は儲かっていたのだが、ある日父が急死。3人姉妹がそのまま家にいるのは苦しい経済状況だったのが判明し、下の妹二人は奉公に出た。一方ソフィーは器用なこともあってそのまま家に残る。ところが、ある日”荒れ地の魔女”の手によって老婆の姿に変えられてしまう。

続編の『アブダラと空飛ぶ絨毯』を先に読みました。その時、色々と感想を拾っていたら、「第1作はすごくおもしろかったのに、これはいまいち」みたいな感想をずいぶん見かけたので、『アブダラ~』を楽しんだ私としては大きな期待を持って読み始めました。私にとってはどちらも同じくらい楽しめました。アラビアン・ナイト風の世界が好きなので、どちらかといえば続編の方が好きです。

読み始めてみると、ハウルが意外と普通の人だったのでちょっと拍子抜けしました。もっとわがままで自意識過剰なのかと思ったら意外と常識人。あれこれ図々しく世話を焼くソフィーの方がよっぽど問題人物に思いました。それにしても、「自分の部屋を掃除するな」という時の理由がいかにも部屋が汚い人の言い分、という感じで面白かったです。

ハウルが火の悪魔カルシファーと契約した理由はもちろん、色々な謎が終盤になるまで全然解けず、結構わくわくした気持ちのまま読み終えました。家族っていいものだと思わせてくれる終盤の展開は良かったです。
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by chirimendonnya | 2005-07-16 15:11 | ファンタジー
あらすじ:
警察の取調室。リビーは居並ぶ大人達に母親、妹、自分が有名デパートの中で過ごした数日間を語る。見つからないかと冷や冷やしつつ、そこはデパート。ちょっと気を回せば何でも手に入る。今までで一番安心な生活を送る3人。最初の緊張感が薄れつつあったある日、事件が起こった。


最初から最後まで居心地の悪い思いをして読みました。ただし、これはこの作品がつまらないというよりも私と相性が悪かったせいだと思います。ここは笑うところなんだ、とわかっていても全体的に話に乗れていなかったので、すべってる感じがしました。途中から読者の予想は見事に裏切る展開を見せるので、話しには行っていけていればすごく楽しい話だったと思います。

思うに現実感が余り無い設定なのに、登場人物の性格付けや感情のせいで妙に生々しくなっているのが原因だと思います。しっかり者の主人公がちょっと夢見がちで気取り屋の母親の欠点を指摘しつつ、「でもママは悪い母親じゃないのよ」と説明する部分が多くて、「子供はどんな親でも必ず庇う」という言葉が頭の中をぐるぐる回ってしまい、もう離れません。子供にちゃんと愛情を持っているし虐待しているわけではないので決して悪い母親ではないのですが、どうしてもいい印象を持てず、ハッピーエンドの最後も余り喜んでやることができませんでした。
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by chirimendonnya | 2005-06-12 20:15 | ファンタジー
あらすじ:
11歳のダンカンの家に”自称”有名作家のダドリーおじさんがやってきた。肩書きだけでなく、本人のキャラクター、所持品、行動の全てが怪しげ。常識人の両親はそんなおじさんにうんざりしているようだが、ダンカン少年は多少バカにしつつも結構好きだ。
待ちに待った夏休み、事情があって両親は出かけ家にはおじさんと二人きり。楽しい?日々が始まった。


ちょっとシニカルだけど年相応の元気な少年といかにも山師の怪しく楽しいおじさんとの一夏の物語。おじさんの微妙な魔術の腕のせいで起こる出来事が徹底的に馬鹿馬鹿しく、ついつい止まらなくなってしまいました。アップテンポではないところが、また穏やかな雰囲気を作っています。話の終わりでは、おじさんは変わらないけどダンカンはほんの少し成長します。その「ほんの少しの成長ぶり」とダンカンの発想が、話全体のかっとびぶりの割に現実的で爽やかな感じでした。

おじさんは実際に同居していたら非常に迷惑と思われますが、のんきな性格は割と好きです。第一、たいしたことはやっていないのでそんなに人に迷惑をかけるわけでもないし、唯一面倒をかけられるダンカンも結構楽しんでいるので、現実的な危機感はゼロです。人に迷惑かけまくりだったり、妙な現実感があると個人的に本来とは違う方向でどきどきし、純粋に楽しめないんです。その点、奇想天外で罪のないおじさんの魔法は気軽に楽しめました。結構薄いし、まったりしているので、息抜きに適した一作だと思います。
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by chirimendonnya | 2005-06-11 15:37 | ファンタジー
あらすじ:
ジェシカとオリバーは双子の姉弟。ジェシカはプログラミング、オリバーは絵を描くのが得意。しっかり者の姉とぼんやりした弟の二人は、対照的な性格ながらも二人は楽しく暮らしている。そんなある日、警察が家宅捜索にやってくる。博物館の警備員をしている二人の父親が所蔵品を盗んだあと、姿をくらましたというのだ。
 でも、ちょっと待って。父さんってどんな人だっけ。
何も覚えていない自分たちにショックを受け、二人は手がかりを捜し始める。色々調べた結果、重大なことが起こりつつあるのが判明。それにまつわる謎を調べる過程でオリバーは異世界に迷い込んでしまう。残されたジェシカは、仲良くなった学者の女性とともに何とか危機を防ごうとするが・・・。


ジェシカとオリバーの会話が漫才みたいで読んでいて楽しくなります。ぼけとつっこみがはっきりしていてなかなか見事なコンビネーションです。

題名から色々な時代にタイムトラベルする話ではないかと思っていましたが、その予想は見事に外れました。のんびり屋の弟オリバーが迷い込む異世界は、人々から忘れ去られたもので構成される世界。様々な時代に存在した人や物が忘れ去られることで、やってきた場所なのです。上巻でこの世界のことはじっくりと語られ、忘れられることの悲しみやむなしさを思うと胸が痛くなりました。その流れで戦争のことも語られます。忘れることを極力防ごうとしている国でも日々忘れられる記憶。そして忘却がある地点に達すると、色々問題が起こったり、再び同じことが繰り返されてしまいます。今の世の中を思うと深く考えさせられました。ドイツ人の作品には、戦争のことが良く取り上げられます。それだけあの問題が彼らにとって未だに大事であることを外国人の私も実感します。

話は最初と最後をのぞいてオリバーのパートとジェシカのパートが交互に展開します。愉快な仲間が多数登場し、胸躍る冒険が繰り広げられるオリバーのパートの方が私は楽しめました。女性学者と謎解きをするジェシカのパートもこれはこれで面白いのですが、ちょっとご都合主義な点が目立ち、私はいまいちでした。最後はやりすぎなくらいのハッピーエンドでちょっと微妙。最初がすごく面白かっただけにやや残念です。
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by chirimendonnya | 2005-05-28 19:33 | ファンタジー
同じ作者の『鏡の迷宮』3部作が面白かったので、図書館から借りてきました。全10巻で私が読んだのは、『(1)大魔術師の帰還』、『(2)悪魔のコウノトリ』。漫画っぽい装幀、大きな字で多少いやな予感はしたのですが、通勤電車の往復で1冊読み終われそうな手軽な本もいいかと。

内容はホラーファンタジー。一口で言うと、4人の少年少女と魔女や化け物との追いかけっこをする話です。本来の対象年齢は小学校中学年より、といったところでしょうか。そのくらいの年の子が読めばきっと面白いと思います。私にはちょっと単調すぎてもの足りませんでした。映画『ヴァン・ヘルシング』みたいな感じで映像化すれば面白いかなとは思います。
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by chirimendonnya | 2005-05-14 13:01 | ファンタジー
あらすじ:
広大なゴーメンガースト城。この中では生まれながらにして身分が決まっており、そこから抜け出すことはほとんど不可能。台所で働くスティアパイクは、ほんの下っ端。普通だったら平凡なつまらない人生を送るはずだ。しかし、野心とある種の才能にあふれる彼は、自らの手で巧みにのし上がっていく。


この本は”ゴーメンガースト3部作”の第1作で、タイトルはシリーズ全体の主人公の名前です。しかし、この作品の中ではほんの子供で、ほとんどストーリーにも関わってきません。そのかわりに実質な主役を張るのが稀代の悪人スティアパイク。華麗なだましのテクニックで人を巧みに引っかけてクールにのし上がっていく彼は、余り好きなタイプではありません。しかし、彼なりに(悪巧みを思い通りに運ぶ)苦労と(だましやすそうな人間を効果的にだます)努力をしており、またその道筋がくどいほど詳細かつエキサイティングに描写されていて、読んでいてわくわくします。ホストもびっくりの美辞麗句には思わず苦笑いしてしまいました。好きではない人でもこうなので、この手のタイプが好みの人にはたまらない人物に違いありません。

彼についてだけではなく、全ての描写が良くも悪くも懇切丁寧。特に人物の描写は容姿・性格共にこれでもか、というほどで、どんな人かが目に浮かぶようです。ただし、まともな人はひとりもいません。どの人もどこかしら滑稽で弱い人ばかりです。あと、登場人物の美男美女ぶりをこれでもかとかき立てる作品が多い中、この作品は全く逆でいかに醜いかを切々と語っています。何もそんなに言わなくてもと登場人物達に同情してしまうほどで、非常に珍しいといえましょう。文章から想像する限り美しい人は一人もいない話は初めてです。

この1冊だけで600ページを超えており、しかも非常に字が小さいです。この量だけでも人を選ぶ上、とても個性的な作品なのでちょっと人には勧めにくいです。描写も登場人物も特濃な上、最初のうちは全く話が進まないので、読んでいてとても疲れました。疲れるので読むのは通勤中の電車に限定。読み終わるまでに1ヶ月もかかってしまいました。それでも読めてしまったのは、色々な要素がいっぱいに詰まっていて飽きないからです。時にコミカル、時にロマンチック。考えようによってはとてもお得な作品といえましょう。
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by chirimendonnya | 2005-05-13 22:02 | ファンタジー