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by chirimendonnya
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カテゴリ:ファンタジー( 35 )

あらすじ:
大学生のポーリーは、ある日自分の過去の記憶に違和感を感じる。そこで、分岐点と思われる10歳の頃の出来事から記憶をたどり始める。

今、宮崎駿監督の映画『ハウルと動く城』の原作者として注目を集めるダイアナ・ウィン・ジョーンズの作品です。徳間書店から出ている同じ作者の作品と比べて、対象年齢が高めというか複雑な構造の物語です。いかにもファンタジーというのではなく、結構現実的な話だと思いました。

途中までは特に魔法に関係するものは出てこなくて、あまりファンタジーぽくありません。お話を作るのと本を読むのが好きな少女の過去を巡る幻想的なミステリーという感じです。話の鍵を握る男性が主人公に送る本が興味深く、いい本との出会い人を育てるんだ、と素直に感じました。この男性は両親、特に母親との関係に悩んでいた彼女を救ったと思います。

そんな大事な人だったのにすっかり忘れていたなんて。しかも、取り戻したと思われた本当の記憶に基づいて行動すると、周りにおかしいと思われるなんてこんな怖いことはありません。この話は夢落ち、そんな馬鹿な、という展開が待っていて、こっちもあわてました。真相は予想外、かつファンタジーらしく、意表をつかれました。ただ、ラストが少し弱いように思い、そこが少し不満です。
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by chirimendonnya | 2005-01-24 14:48 | ファンタジー
ご存じ、ハリー・ポッターシリーズの最新刊です。発売時に購入していたのですが、手元にあるという安心感からそのままになっていたのを、やっと読みました。発売から数ヶ月が経過し大体評判が出そろっているので、正直あまり期待していませんでした。それがよかったのか、思ったよりは面白かったです。個人的には前作より楽しめました。エピソードがそれなりに連続性があったからかもしれません。特に下巻の後半は面白かったと思います。

ただ、賛否両論というのもわかります。

まず、主人公のハリーが終始いらいらしていること。思春期であることに加え、魔法界でも今までとうってかわって厳しい環境に置かれたので、彼の気持ちはそれなりにわかります。特に、下巻に入ってからは痛いほどにわかります。でも、明るい話ならともかく暗い話で主人公がこうだと読んでる側は非常に疲れます。ただ、今作での出来事をバネにこれから人間的に成長するだろうと思うので、どんな大人になるか楽しみだと私は感じました。

次に、前作もそうでしたが色々とエピソードを詰め込みすぎです。もっと前ふりを短くして、早く本題に入った方がよかったように思います。巻を追うごとに長くなっていますが、週刊誌連載じゃないんだから、もう少し内容の絞り込みをして一定の長さで収める努力をしてほしいです。その一方で、長いおかげでハリーをはじめとする生徒達の成長、脇役の個性や活躍も楽しめるので、悪いことばかりでもないですが。特に、双子の登場場面は一種の息抜きで二人が出てくるのが、楽しみでした。

多少の不満もありましたが、今作には全体的に満足。次刊を楽しみに待ちたいと思います。
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by chirimendonnya | 2005-01-20 09:16 | ファンタジー
ファンタジーが好きなので、図書館で見かけるとつい借りてしまいます。ハリー・ポッターシリーズの大ヒット以来、本当にたくさんのファンタジーが出版されています。これもその一つ。仮面をモチーフにしたちょっとおどろおどろしい表紙が印象的です。”ストラヴァガンザ”というのは、この作品の中では”時空を旅すること”という意味だそうです。

あらすじ:
脳腫瘍治療の副作用に苦しむルシアンは21世紀ロンドンに住む15歳の少年。ある日、父親からメモ帳をもらった彼は、気がつくと全く見ず知らずの場所にいた。なんとそこは16世紀。しかも、ルシアンのもといた世界とは異なる歴史をたどってきた世界なのだ。その町、イタリアのベネチアとよく似たベレッツァでルシアンの大冒険が始まる。

作中では、基本的に21世紀ロンドンと16世紀ベレッツァが交互に描写されています。自分の世界21世紀ロンドンでは化学療法の副作用でふらふらなのに、パラレルワールド16世紀のベレッツァでは元気いっぱい。なぜ?主人公ルシアンはジレンマを感じ、実世界の自分をじれったく思っています。だからといって、彼はひねくれた陰険な子供ではありません。最近のファンタジーの主人公では珍しいくらい、素直で純朴な子供です。そのせいか、年齢より幼く感じましたが、好感が持てます。その他の登場人物は、元気で面倒見がいいけど、ちょっと意地っ張りなヒロイン・アリアンナ、普段はクールだけど恋人のことになるととたんに熱くなる大魔法使いロドルフォ、冷徹だが威厳にあふれるドゥチェーサ(女公主)シルヴィアなど。ルシアンの味方サイドにいる人は、おおむね魅力的です。対してベレッツァ乗っ取りをたくらむレーマ側は、この作品中の大使以下せこい小悪党ばかりで、いまいちです。これだと数々のたくらみが失敗するのも無理はない、と思いました。この作品は3部作だそうですが、次作以降で巻き返しなるでしょうか。

ストーリーは、最近出たファンタジーの中でも大人っぽい感じ。パラレルワールドですから、もちろんこの世界とは違う歴史をたどっているわけですが、随所で本当のイタリアの歴史との共通点が見られます。歴史も好きな方なら、より楽しめると思います。ファンタジーにつきものの冒険に政争、陰謀などの大人の事情が絡んできます。部分的に都合がよすぎる点が目につくところがありましたが、読んでいて不快に感じるほどではありませんでした。謎が謎を呼び、テンポよく進んでいきます。そして、最後はアッと驚く展開で、きれいに終わります。イギリスではすでに第2弾が発行されているとのこと。読むのが楽しみです。
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by chirimendonnya | 2005-01-13 20:42 | ファンタジー
あらすじ:
パーラはシレンチアという町に住む元気な女の子。ある日、仲良しのおじいさんガスパーレがしゃべれないどころか言葉を全く理解できないという奇病にかかってしまう。豊かな言葉を持つ語り部だったのに、なぜ?彼を皮切りに次々と言葉を失う病にかかる人が増える一方で、町では正体不明の”ジット”という男が存在感を増していく。住民ほとんどがジットを崇める中、パーラはただ一人謎に立ち向かう。

去年の夏くらいに出た上下2巻組、合計約550ページのファンタジー。ちょっと『モモ』を思い出させる話しです。『モモ』で奪われるのは時間ですが、この話では言葉。どちらも日常生活でそんなに意識はしないけれど、大事なものです。で、もちろん話の中では言葉の大切さを訴えかけていて、特に上巻はそのメッセージが強く感じられました。ちょっと耳が痛いような居心地が悪いような気分になりました。人々がよりメディアに乗っかかっていく様子がかなりストレートに批判的に描かれているからです。下巻になると、豊かなイメージと謎解きが中心になり、かえって素直に言葉の力を感じることができました。言葉って本当に素晴らしいけれど、同時に恐ろしいものでもあるということを、改めて考えさせられました。
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by chirimendonnya | 2005-01-05 10:48 | ファンタジー
あらすじ:
近未来のロンドン。正体不明の組織に両親を誘拐されたチャーリーは、ライオンたちとともにベネチアへ。囚われの身の両親も何とか組織から逃げ出そうと試みる。協力者と思っていた人間が実は裏切り者だったり、意外な人物が意外なきっかけから協力者になったり、なかなか先が読めない。はたして、チャーリーと両親は再会できるのだろうか。

人気ファンタジーの第2巻。派手なPR,人気イラストレーター天野喜孝氏による魅力的なイラスト、そしてドリームワークスによる映画化決定(良い意味でシンプルなストーリーなので、結構期待しています)ということで、多少話題先行の感はあります。強いこだわりがある方(正直、位置から別世界を作り上げるような話やつっこみどころのない完璧な話を求める方には向かないと思います)は少し検討の必要がありますが、そうでない方は手に取ってみてそう損はしないのではないでしょうか。

特に、最近のファンタジーの主人公で良くいるちょっと暗い少年にうんざりしている人は一読の価値有り。主人公のチャーリーは少々生意気なところはあるけど、明るく活発な少年で、読んでいてストレスを感じません。


原書のサブタイトルは”The Chase”で、それにふさわしい追いかけっこが展開されます。一冊目に続いて引きの強いストーリーで読み始めると一気に読めてしまいました。深みはそんなに感じないけれど、逃げる側は全力をかけて逃げ、追う側も必死に追っかける明快なストーリーは、結構面白いです。
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by chirimendonnya | 2004-12-12 19:32 | ファンタジー