人気ブログランキング | 話題のタグを見る

コメント、トラックバックについては承認制を取らせていただきます。


by chirimendonnya
カレンダー
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31

『フェッセンデンの宇宙』エドモンド・ハミルトン  河出書房出版社(2)

昨日の続きです。

凶運の彗星:
二人の科学者が宇宙人に遭遇。最初は警戒するも友好的な態度に段々うち解けていく二人だったが、ある日真の目的を聞かされ、片方の男は慄然とする。
 一番恐怖を感じた一編。宇宙人が侵略される恐怖ではなく、もっと他のものです。色々制約があっても人間は人間でいいんです。最後、ほっとしました。

追放者:
4人のSF作家が集まって雑談をしている。一人の男がなかなか面白い話を始め、皆聞き入っているが・・・。
 これはオチが見物。なかなかウィットがあっていいと思います。

翼を持つ男:
ある病院で奇妙な赤ん坊が生まれる。肩のあたりが奇妙にふくらみ、体の大きさの割に体重が軽い。やがて彼の翼には羽が生え、飛べるようになった。
何が幸せかというのは、人によって違います。主人公のような人には特に。たとえ悲しい運命しか待っていなくても終盤で彼が取った行動はすがすがしさを感じました。ハッピーエンドといえばいえなくもないと思います。
 
太陽の炎:
題材は水星探検。個人的に余り印象に残りませんでした。

夢見る者の世界:
あまりにもリアルな夢を見る男。夢の世界がどうしても嘘と思えない男は精神科医のカウンセリングを受けてみるが・・・。
 主人公は完璧に自分をコントロールできなくなっていますが、彼の夢の世界はなかなかロマンがあります。もしうまく折り合いをつけられる人だったら、夢の世界でのストーリーを出版して一躍ベストセラー作家というのもあり得たかも。
by chirimendonnya | 2005-07-03 18:27 | 小説